古典を読む
芭蕉は元禄2年7月5日(新暦1689年8月19日)に出雲崎を発ち、柏崎の天屋弥惣兵衛に宿泊する予定であったが、面白くないことがあって天屋に泊るのを止めて先に進み、鉢崎の「たわらや」に宿泊した。 「曾良旅日記」には5日のことが、次のように書かれている。 …
先月24日と31日に、北国街道の米山三里と呼ばれる道を歩いてきた。米山(標高993m)の山脚が海岸までのびて、断崖となり峠となった難所である。 なぜ米山三里を歩こうと考えたかというと、私は数年前から芭蕉が奥の細道の旅で歩いた新潟県内の道を訪ねている…
私は徒然草の中では、第19段「折節の移りかはるこそ、ものごとにあはれなれ」が一番好きである。俳人で古今伝授を受け継いだ古典学者でもある松永貞徳は、この19段を絶賛し、徒然草の注釈書「なぐさみ草」で、兼好なら「源氏物語」のような物語もかけるだろ…