より良き教育を求めて ちからのブログ

30年の高校教師の経験から学校・教師・教育について考える

教師の条件

三好京三『俺は先生』

三好京三の『俺は先生』(昭和57年 文藝春秋)を読み、感じたことを書いてみたい。 三好京三は昭和6年(1931年)岩手県に生まれ、平成19年(2007年)に亡くなっている。直木賞を受賞した『子育てごっこ』が特に有名である。三好は助教諭として種市町(現洋野…

アクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び)

新学習指導要領の目玉の一つが、アクティブ・ラーニングである。「主体的・対話的で深い学び」を目指し、教員が知識を教える一方的な授業ではなく、児童生徒が互いに意見を交わしながら理解を深める授業方法のことを言う。この文部科学省が推薦し、教育界で…

灘校の教師・橋本武の『銀の匙』の授業に学ぶ

橋本武(1912~2013)は、灘校で50年間国語を教えた教師である。2005年に教え子の黒岩祐治(現・神奈川県知事)が出版した『恩師の条件』(リヨン社)で、橋本の授業が紹介され脚光を浴びることになったが、橋本武はその時なんと93歳という高齢であった。そ…

『教えるということ』(大村はま著)に学ぶ (三)

大村はまは八潮高校在職のころ、奥田正造先生の毎週木曜の読書会に参加していた。「先生」とは奥田正造先生のことである。 先生の前でかしこまって緊張している私に、先生は急に、「どうだ、大村さんは生徒に好かれているか。」と、お尋ねになったのです。私…

『教えるということ』(大村はま著)に学ぶ (二)

大村はまは『教えるということ』で、次のように述べている。 私は今日、「教えるということ」を題にしました。なぜかと申しますと、「教える」ということをしない先生がたくさんいて、困るからなんです。それでは、「教えない」っていうのはどういうことなん…

『教えるということ』(大村はま著)に学ぶ (一)

大村はま(1906~2005)は、1928年に長野県の諏訪高等女学校(現・長野県立諏訪二葉高等学校)の教師となり、1938年から東京府立第八高等女学校(現・東京都立八潮高等学校)、そして1947年からは東京都内の中学校で教えた国語の教師であり、国語教育の実践…